5.0
描写は間違いなくグロの成人向けで、非常に猟奇的な場面がいくつもあり、お話の筋が復讐で死人が出ているので、広告を見た時からうつうつしくなるだけの漫画だろうな……と思っていました。
ですが復讐の鬼となった面とは別に、学校生活はまだ幼さの残る初心な少年の面が見えて、でも漆間くんとあのろくにんにだんだんと周りが巻き込まれ、また別の苦悩が生まれてしまったのがもう胸をしめつけるようです。
鬼と人の両面を持ちながらも、大切な人、巻き込まれた人を必死で守ろうとする姿は苦痛と共にですが熱くなる想いが胸に込み上げます。
もちろん猟奇的にやるよりも社会的に抹殺し死を望んでも死なせず死後のことを予想させて絶望させつつ生き地獄に落として自分は檻の外から観察する方がまだより良いだろうとは思ってるんですが(個人的な経験と考えです)、この道を選んだならもう……その行為は応援できないけども、彼の「復讐」を見届けたくなりました。
「許さない」「仇を討つ」という選択を、想いを、貫いて欲しいです。それが最後どんな形になるのか、私は知りたいです。
血を見ない未来はあったんやろか…とつい考えてしまいますが、それはたぶんもう言うのは野暮なんだろうなと思います。
何故なら漆間くんが復讐を自分の意思で選び、4年もそのために努力して実行に移したから。
誰かの選択にはまた違う誰かの選択とぶつかるもので、実際に暴力を振るう選択をしたらそれを止める選択、利用する選択、逃げる選択、助ける選択と、さまざまな選択がぶつかり合います。
その選択をしあうことをこそ闘いと言うのだと思いました。
しかしそう考えると、異質なのが至極京という存在です(漢字間違ってたらごめんなさい)
この人物のこだわりがこのお話における最大の問いつまり『問題定義』に当たり、テーマに深く関わっているのはもう間違いないだろうなと勝手に思っています。そしてそれに漆間くんが最後にきっとその時点での回答をするのだろうなと期待をしています。
今まで思い切り猟奇的なものはあまり見ていませんでしたが読んでみるものだな、と思いました(でも映像化されたら怖くて見られないかもしれません)
善意と悪意お無関心と愛と嫌悪ってなんだろな! なんだろな! 長々と語っておいてまとまりのない文で申し訳ありません。
次回のお話をドキドキしながら待っています!!
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十字架のろくにん
086話
第78話 北山部隊の生き残り