5.0
決して忘れない
この作品は初めて読んだ芦原先生の作品で当時は確か学生…だったかな。以前にレビューを投稿しましたが、どうしてもまた読み返したくなりました。
植草杏は東京で家族で暮らしていたが、両親の離婚がきっかけで母の故郷である島根に引っ越す。
しかし母は離婚のダメージを受け次第に心を病み自ら命を断ってしまう…。残された杏は祖母と暮らし、近所に住む同級生の大悟と初恋を経験していく…。
この作者さんの作品はどれも明るさだけでなく、登場人物が闇や脆さを抱えていて、青春やトキメキだけでない、リアルな葛藤がたくさん描かれています。
昔は杏の気持ちに寄り添って読んでいたけど、今は私も小学生の親であり杏のお母さん側の世代になっています。杏のお母さんの死はやはり今読んでも重い。いや、当時読んだ以上に重い。
子育て、自分の親の事、夫との関係、自分自身の事…色々考えて全て投げ出したいと思う事もあるけど、この作品を読んで、芦原先生の悲しい事件を心に残して、まだ踏ん張っていこうと思いました。
私の中では永遠に、名作となる作品です
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砂時計