5.0
これは「正しい」を探していた2人の物語
全話読み終わってからレビューを読みましたが、嫌悪感剥き出しの人が多くてびっくりしました。女子高生×おっさんということで生理的嫌悪感を感じることは否定しませんが、それが作品の良し悪しに直結するとは思いません。妻を失い、仕事に追われ、不登校の娘に悩まされる日々。不安定な母親に「良い子」を押し付けられ、歪んでしまった女子高生。若い娘と恋愛がしたかった男の話でも、おっさんを誘惑したかった女の話でもありません。日常の歪みのせいで壊れかけていた2人が「異常」な道に踏み込んでしまう。もちろんそれは外から見れば許されるべきことではないということは、本人たちも心のどこかではわかっています。それでも足を踏み入れてしまう。その心理を巧みに描いた、非常に文学的な作品だと感じました。日本のどこかでこういうことが起きているといっても過言ではないと思います。主人公は娘と同い年の娘に発情したのではなく、たまたま拠り所となってしまったのが「娘の友達」だったのです。娘と同い年の女の子に欲情するのか?娘のことをどんな目で見ているんだ?というのは、この作品に対して的外れな意見だと個人的に思います。まぁその意見も含め、2人の思いは本人たちからしたら「正しい」ことでも、外から見たら「悪い」ということです。それでも2人は、世間の批判も受けながら、この選択をした。結末としては筋が通っていて美しい一本でした。
古都と主人公が惹かれあい、追い詰められていく表情や周囲の反応の描き方がとにかく巧みで、漫画作品として非常に優れていると思います。私は好きです。
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娘の友達