5.0
「試されてるのは自分」っていう謙虚さをこの局面で出せればよかったのに、と思う。楓さんは「ダメなところが出ている」「嫌な女」「女のヒステリーほど愚かな感情はない」など何度も自分の欠点に気付いて、その度に治そうとしていた。けど、忙しさで追い詰められたり一杯一杯になると、どうしても強気で勝気な部分が全面的に出てしまう(もともと誠くんが愛していた部分でもあった筈)。作者さんは彼女の性格、ほんとによく描写してると思う。
そして、彼女の心理が細やかに誠くんに伝われば、誠くんもまたあったかい気持ちになって楓さんに向き合うんだろうけど、現実世界で俺が誠くんの立場だったとしても、「まあ、これではどうやったって伝わらんよね」と思ってしまう。
でも、こういうことは現実世界でも往々にして起こってることだよね。それだけに、とても切なく感じる。
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あなたがしてくれなくても
112話
第56話 2