もうだいぶ前に子供を幼稚園に連れて行く時や
買い物に行く時
すれ違う母娘がいた
母親は年老いて見え娘は母より体格が良く
ズンズン歩いて母はその後を遅れまいと必死で
ついて行くように見えた
そして時々母親は顔や手に包帯を巻いていた
目も見えたところは腫れていた
今ならわかる
娘は行動障がいがあったのだろう
無邪気に大きな声で叫ぶように誰ともなく話している娘の傍で母親はずっと下を向いていた
しばらくして見かける事も無くなったら
そのご近所に住んでいると言う人が
母親が亡くなってその傍で瀕◯の娘が見つかったと
小さく古いアパートだったのが幸いし
発見も早く娘は助かったが
何処かに連れて行かれもうそこにはいないと
必死で育て別れも気づく事なく
娘はずっと何処かに行ってしまった
母親を探しているんじゃないかと
時折思い出しては切なくなる
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不浄を拭うひと(分冊版)
038話
不浄を拭うひと(38)