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The 理不尽!
ヒロインの設定が、理不尽であればあるほど、物語がドラマティックになる?意見には個人差がありますが、行き過ぎた暴力や凄惨な虐めのシーンの、何が楽しいのか…アダルトシーンだけではなく、暴力シーンにもR指定が必要だということを、この作品を読んでいると、強く感じます。
とにかく、ヒロインユリアに対する肉体的・精神的DVには、胸が悪くなる。そして、彼女がそんな仕打ちを受けなければならない理由の、理不尽さ。「狂愛」の主、カミーユの口から語られるその理由は、ユリア自身ではどうにもできなかったことで、完全に「屁理屈」「八つ当たり」「逆恨み」彼のパラノイア的思考に、怒りを通り越して、憐れみさえ感じるほどでした。
一方、カミーユの存在感が余りにも強すぎて、ヒーローであるはずの「純愛」グレン、かなり影が薄かった…サンライズ作品でいうところの、敵美形キャラが、正統派ヒーローを凌駕するっていう、あれですわ。「公爵」って肩書きほどには、権力の振るいどころも少ないかも?
正直、ずうっ〜と理不尽なことが多く、本当の意味でスッキリできるかどうかは、読者の好み次第。自分的には、この作品「The 理不尽大賞」にノミネートです!
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狂愛と純愛