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レイモンドとサマンサに捧ぐ
「逆行令嬢の復讐計画」というタイトルそのままに、逆行・回帰したソフィアは、1周目よりも賢く、強くなって、アレクシスとともに、レイモンドとサマンサの陰謀を阻止していく…ざっくりまとめると、そういうお話です。
それにしても、どうしてヒロインの逆行は、いつも分岐点の直前あたりなのでしょう。どうせだったら、レイモンドとサマンサの幼い頃まで遡ればよかったのに。罪は罪、悪役は悪役なので、本編での彼らの末路は、当然です。でも、幼い頃の屈託のない二人の様子が、どうにも気にかかるのです。
性善説の盲信者ではありませんが、もしレイモンドが、母王妃にあれほどプレッシャーをかけられなかったとしたら、もしサマンサが、両親にあれほどソフィアと比べられなかったとしたら、もし二人が、自分自身を肯定して生きられるような環境で育っていたとしたら…そう考えると、二人を不憫に思うと同時に、彼らの親たちに対して、怒りを禁じ得ません。ソフィアとアレクシスとブルーノにあって、レイモンドとサマンサになかったもの…それは、無条件に認めてくれる親の愛でしょ?
ソフィアができたのなら、レイモンドとサマンサも逆行できないのかな?その際は、無条件に愛されて育つ子ども時代が、彼らに待っていますように…。
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逆行令嬢の復讐計画