4.0
ありそうでこわい
複数の留守宅を観察し、いない時間を把握して、不在時間の隙間を縫って生活する。いつ、急な用事で帰るかもわからないのに。小心者のわたしには考えられない。
けれどなんだか実際にあり得そうで、妙にリアルで、どんどんのめり込んでしまう。だがしかし。そこは裏の世界。掟があり、破るものには容赦ない。元々存在しないことになっているのだから、死ぬときも簡単。恐ろしい。
そんなあたりから、気持ちが悪くなり、スリルに耐えられなくなって、呻きながら読んでいた。
ひょんなことから自分が死んでしまったことになってるニュースを見てしまうヒロイン、裏の世界で昔自殺したはずの同級生に会う、など細部がよく作り込まれていて面白い。リアルさもあるし、かと言ってリアルだけじゃない、ヒロインの葛藤や生き様も、平凡な女の子から次々にトラブルに巻き込まれ何度も死にかける波乱万丈も漫画っぽくて良い。あとはドキドキはらはらが、私のように苦手な方には、覚悟して読んでほしい。
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