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みんなのレビューと感想「はだける怪物」(ネタバレ非表示)(7ページ目)

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  1. 評価:5.000 5.0

    ほどけてはだけた心

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    「錆びた夜でも恋は鳴く」で弓に手をあげていたかんちゃん事・林田の「ほどける怪物」続編、たぶん最終章です。

    前作で秀那との紆余曲折の末、やっと好きだと言えた林田さん。
    好きだから傷付けたくなくて、傷付けてきた自分が怖くて雁字搦めにしていた心を自ら緩め、それを秀那がほどき始めた前作。
    幸せになって、と強く思ったのを覚えています。

    そして、今作。
    会社も同じで頻繁に行き来していた2人に、転勤という物理的な距離ができました。
    秀那はいつも彼女はいたけれど、恋愛に本気になった事が一度もなかった。
    でも本気で好きになってしまった林田さん相手に、感情のコントロールが上手くいかなくてもだもだします。
    一方、林田さんも過去の罪に囚われていて、自分を抑える癖から抜け出せないでいたのです。

    本当に切ない。
    転勤に不安と寂しさを感じる秀那。
    不安と寂しさを隠す林田さん。
    未だに強く心に巣食うトラウマ。
    東京と大阪。
    そして大阪で秀那は背中に火傷の跡を持つ人物と出会うのです。

    どうして好きだけじゃダメなんだろうと、読んでいて焦れて悲しくなります。
    と、同時に負けるなとずっと心で繰り返しながら読みました。
    本編に所々出てくるかんちゃんの暗黒の数年がとても痛々しい。
    酷い会社でズタズタになった精神。
    救いのはずだった弓の中にずっといた他の誰か。自分の家族の重圧。
    徐々に心が死んでいってしまってたんでしょう。
    この期間の出来事が、単行本の上巻に付いている『薊』でもっと掘り下げられて書かれています。
    本当に『薊』は読んでて辛かった。

    重いお話ですが、やはり笑えるところもあるしエロも濃厚でした。
    でも単行本の方が修正が甘々で結構ばっちり見えてます。
    電子は白抜きでしたね。
    単行本も買って損なしです。

    やっとほどけた怪物は、愛ではだけるのか。
    心を曝け出せるのか。
    どうぞ是非、2人の恋を見守ってください。

    • 15

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