4.0
なるほど、夢、ね。
ヒトではなくされた彼と、それでも、彼をヒトとして扱う彼の、濁らされた空気が、ゆっくりと晴れていくような、柔らかな、異色のラブストーリー。
彼を生体性道具として使用するような、直接描写はありません。キツい性描写はありませんが、とにかく空気が重い。
彼の能天気さも、弄られて、作り出されたものかと思うと、気持ち悪さもあります。
ですが、話が進むにつれ、彼は、少しずつ、少しずつ、ヒトになります。
少しずつ、少しずつ。
晴れ切らない闇の空気も一つの終わりならば、この終わり方も良いかもしれません。
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