【ネタバレあり】[小説]蜜夜 薔薇の花嫁は愛に溺れるのレビューと感想

良かったです。
ヒロインの生い立ちを隠すために
男の子に変装して森でひっそり暮らす所から
ヒロインに保護されて
男の子と思うのに惹かれていくヒーローにキュンとなり
はたまたヒーローには負い目のある婚約者がいたりと色々楽しめます

泣けます！

迫害される医療技術者メルヴェイユ一族のヒロインと昏睡状態の婚約者の治療をメルヴェイユにして欲しいヒーローのお話し。
まずメルヴェイユの母子間の一子相伝にのみ技術を残せない、一族間ですらお互いに会えない等、悲惨です。自分の状態を菩提樹にメッセージをつるしてしか伝え合えないとは！
ヒーローは初めて愛したヒロインに対して執着が激しいです。一応婚約者もいる状態なので結婚の約束も出来ないし。ヒロインには酷な展開です。メルヴェイユの婚姻しなくても子供と共に消える的な感覚も悲しくもリアルかも。
ヒーローが婚約者が全快してからヒロインにキャンドル灯して求婚する場面には何回読んでも泣けます。メルヴェイユ達が領地の菩提樹の下でキャンドルでお祝いの意思表示してくれるのも感動的です。
エッチは割りとハードかな？特にヒロインが「私の事は忘れて」的な言葉を発した時はバックまで奪われちゃうのは引きました…後で反省してたけど。

けっこう乙女系のTL小説を読みましたが、今までに読んだことのない設定、パターンのお話でした。よかったです。時々読み直してます。
舞台は中世ヨーロッパ、ヒロインは薬草に詳しい白魔女に天才外科医をプラスした感じで、独りでも生きていけるんです。(これが今までになかった感じ)
女心に鈍感で不器用なヒーローがヒロインを喜ばせようとあれこれ尽くすのになかなか伝わらないのが不憫。
最後までハラハラさせられますが、クライマックスのキャンドルの灯が響き合うシーンは嗚咽が止まりませんでした。
ところで、鉄砲の「弾」に「ひ」(ひく？)
ってルビに脱力しました。直してもらえませんか。