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愚者の皮

あらすじ

幸福と不幸を分かつものは、ただひと張の薄皮のみである――。愛する夫・英馬のために日々を過ごしてきた妻・あよ。容姿端麗で心の優しいあよは、英馬の自慢の妻だった。しかし、そんな円満夫婦の元に起こる突然の不幸……。交通事故で命は助かったものの、美しい顔に傷を負ったあよ。夫のため、整形手術を受ける事にしたのだが――? 夫婦の愛の形。人間の神髄に眠る本当の美しさ、醜さとは!? 究極の人間ドラマがいま始まる。

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  2. 021話 コメント2
    英馬の決意(1)
    50pt
  3. 022話 コメント0
    英馬の決意(2)
    50pt
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    旅路の果て(1)
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みんなのレビュー

  1. 評価:5.000 5.0

    良い話です。

    ネタバレ レビューを表示する

    これは、寓話だと思う。

    これはただ、
    一組の夫婦の長い年月の愛の移り変わりを短縮的に見せた、寓話。

    妻のその美しい容姿を愛する夫。
    美貌が損なわれ始め、
    愛は薄れゆき、
    浮気に走る夫、
    そしてそれを怨み、嫉妬し、また愛を乞う故に若さと美貌を追い求めてしまう妻、
    男と女のどうしようもない性。

    そういう性を全て曝け出し、呪い憎み、全ての膿を出し切って、
    その醜さすらも愛し、認めた時にこそ、
    人の愛情は報われる。

    愛される事を一切求めずに、
    愛している喜びと、相手もまた、愛してくれている奇跡に幸福を感じられる魂が、
    何よりも美しいのですよ、

    と伝える寓話。

    整形の失敗の話や、その治り方などは、寓話なので、そこを作り込む必要など、このお話にはない。

    現代を舞台にしてるだけ。
    多分舞台は何処だっていいのでしょう。
    作者の表現したい事を効率良く見せる為に必要だったから、現代なだけ。

    きっと、読んだ後、
    ホッとした様な…
    喜ばしい様な…
    爽やかな様な…
    炭酸が喉を通り過ぎた後の様な…
    色んな物が複雑に混じる、そんな気持ちになるお話です。


    このお話には他に「チガヤ編」と言うあよの生き別れの妹のお話がある様です。
    もう一人メグリという妹もいる様なので、
    後2編はあるのかと思います。

    どちらも楽しみです。

    あよは声を失い、
    チガヤは視力を失った様なので、
    メグリは聴力を失うのかもしれないな〜とちょっと予想などもしつつ、

    この「醜さと夫婦」という材料で、どんな3種の寓話を聴かせてもらえるのか、
    ベットに入った子供の様な気持ちで読みたいと思います。

    本当に一見の価値ありの良作でした。

    • 33
  2. 評価:5.000 5.0

    人間の愚かさ、強さと美しさ、本当の愛とは

    ネタバレ レビューを表示する

    広告でみたとき、正直買おうとは思っていませんでした。

    でも、何となく気になり、レビューを読んだところとても絶賛されていたので試しに購入。一気に最後まで読み終えました。

    最初は読んでいて辛くなりました。
    主人公あよの身に降りかかる災難、顔が醜くなったことに対する夫・英馬の拒絶反応、その後しばらくは復讐に燃えるあよ…

    でも、12話の【心の毒】のあたりから少しずつ変化が…

    自分のことを、どろどろとした汚い感情も含めて受け入れてから少しずつ変化が起こります。
    英馬も、初めは酷い男だと思っていましたが、憎みきれない部分があります。

    やはり人は複雑な生き物。
    さまざまな部分があり、それをすべて理解した上で相手を受け入れる心が持てたとき、自分が変わります。そして、その影響を受けて相手も変わっていきます。

    とても素敵な作品で、結末も良かったです。塩酸の下りは、無くても良かったのですが、これはこれで二人の愛の深さを表すエピソードになっているようにも思いました。
    ぜひ一度、呼んで頂きたいです。

    • 25
  3. 評価:5.000 5.0

    この作者は達観している

    ネタバレ レビューを表示する

    他のサイトの広告からたどり着き、試し読みで引き込まれていった。人の顔の、特に女の顔の美醜をテーマにした物語が好きで、大変興味深く読めた。安易な整形に警告したり、人を見た目で判断するなというお決まりの題材かと思いきや、壮大な愛を扱って終結する。最後の章は涙を流してしまった。不幸のどん底を経験をしたからこそ達観出来た人間は強い。登場人物で土子という女、容姿の醜さと心の醜さが救いようのない人間であるがこれも定理であり真実なのか?と思ってしまった。外見は内面の鏡である。もっと柔軟な心といい意味での勘の良さ、時代を読む力、情報収集力、他人を不快にさせないマナー、これらを持っていたらあのような容姿にはなりようがない。情報があふれる世の中で、自分をある程度に磨くことも出来ず不平不満を言い、輝いている者を妬み失脚させる。自分を客観視出来ていない。すべてが、醜いのである。この作品には原作者が特にないようだが、だとすれば作者がこの話を編み出し絵を描いたということだ。年代がどのくらいの作者か私は知らないが、割と年齢を重ねた、紆余曲折した経験をもつ達観した方なのではないか。若いだけの夫婦が、やがて俗世間の名声から離れたところに行き着き、崇高な精神の領域にたどり着く。高い精神性は塩酸の毒牙からさえも結果的に美しい顔を守ってしまった。一種の崇高さが見せたマジックだ。人の姿かたちというもの、心の在り方、絶対的な愛。目指さなければいけないもの。沢山考えさせられた作品だった。

    • 23
  4. 評価:5.000 5.0

    賛否あるけど、私は感動しました。

    ネタバレ レビューを表示する

    まず、絵柄は美麗ではありませんし、古臭い感じがします。
    あよの顔が本当にグロくて夢に出て来そうです。
    終盤の、神話にかけたエピソードは蛇足だと思うし、
    塩酸?硫酸?かけられた英馬の顔が(目以外)完全に綺麗だったり、それをあよが舐め取って声が出なくなる...とかは、何だか読んでいてイヤでした。
    あよの顔も、不安定なままのが良かった気もします。

    それでも☆5個つけたくなるくらいに、良い作品です!
    執着したり憎んだり戸惑ったり情とか弱さとか、人間の渦巻く気持ちの複雑さが丁寧に描かれていて、心の琴線にふれまくりました!
    後半あたりからは何度も涙が溢れてきて、イッキ読みしてしまいました。
    あよの顔の、通常バージョン、ものすごく醜悪バージョン、小康バージョンなど、細かく描きわけられている点も注目ポイントです!


    めちゃコミではまだ未配信のようですが、
    あよの妹のチガヤ編があるようなので是非配信希望です(((o(*゚▽゚*)o)))

    • 22
  5. 評価:5.000 5.0

    面白かった!

    ネタバレ レビューを表示する

    一体どんな結末になるんだろうと続きが気になってしまい、最後まで一気に読みました。

    序盤はドロドロ過ぎて読むのにとても労力がいりましたが、打って変わって中盤はギャグ漫画のようなノリで読めました(笑)

    姉妹のお姉ちゃんのキャラの濃さや、亜澄が整形しちゃって泣き暴れる英馬になぜか笑いが込み上げたり。絵柄がそう思わせるのでしょうか…?
    ほかには中途半端に毒素を抜いたあよの【不安定な状態】に突っ込まずにいられなかったり、醜くなったあよを嫌いつつも放っておけない英馬にツンデレ認定したくなったり。
    そういう点が気になる人には、もう突っ込まずにはいられなくなる突っ込みどころ満載の漫画です。
    ただ、そこからのラストが感動的でびっくりしました。不覚にも泣きました。

    笑いあり!(←私だけかもしれませんが)
    涙あり!(←人によっては流れないかも)
    人間の愚かさも素晴らしさも見事に描いた作品だと思います!

    by 匿名希望
    • 22

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