5.0
月に祈る
映画を観たかのような、読み終えた後そんな気持ちになりました。
ずっと2人は夜に会っていました。暗い月の出るところで2人は会っていました。
でも最後は昼の間のシーンでした。電車に乗っている間も昼でした。トンネルから抜けたのが1人ではなく2人なら良いのですが……
彼はずっと彼女を想っていたあまり、付き合っていた人を大切にできなかったんでしょうね。心配なことがあれば彼女を優先させていたのでしょう。連絡があり、振られたのだな、と悟り彼女を想い、気遣い……でも自分では幸せに出来ない……
そんな想いが溢れ出ていて、言葉にするのも締め付けられます。
せめて幸せに。もう、大丈夫だから。幸せに!
距離と時間が解決して、2人が楽しく笑って過去を話せる時がくればいいと。
そう願ってしまう物語でした。
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