5.0
いけない関係、でも二人の関係があってこそ
最終話まで読みました。
この作品は、血の繋がりがある二人が家族になろうとして、築いてきた信頼関係や安心感、適度な距離感がある。
そこが他の、背徳感を押し出した作品と違うところだと思います。
ドラマやアニメにも多く見られる、あれから数年後という設定。
確かに、先生になる夢をちづるが持っていたという雰囲気はなかったけれど、叔父さんが確信してましたね。
「いいお嫁さん、いいお母さんになるだろうということは、俺がわかっている」という感じで。
二人は結婚もできない、子供も作れないけれど、自分が作れない子供と関わりを持てる教師という仕事をしているちづるを描くことで、あの叔父さんの言葉に現実味を持たせることが出来た。
何よりちづるは、まだ自分が小さかった頃、同い年のちよちゃんを気遣うことも出来るし、境遇的にも叔父さんや周りの大人たちの顔色を伺って育っていったんだろうなと。
人の気持ちに敏感な人ほど、人の気持ちを考えられるから信頼されやすいと思います。
教師にはピッタリだと思う。
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