【ネタバレあり】お金ありきの関係ですがのレビューと感想

今どきヤクザの純愛事情

今作で完っ全に作者さんファンになりました！！
もともと「僕のΩよ　覚めないで」「Ωはピンクの夢を見る」が大好きで、今作の配信も喜び勇んで飛びつきました！
正直なところ、冒頭部分で真が拉致される辺りは少しピンと来ず、「んん〜？」と思っていましたが……違った。私の想像力不足だった。

借金のカタに男相手に身売りをしている真に、町中で一目惚れするヤクザの亮平。優しく声をかけたのに、素っ気なく断られた亮平は、一発殴って無理矢理連れ帰ってしまう。気に入った宝物を大事に持ち帰った子どものように、寝ても覚めても真、真、真と言い続ける亮平の、周りも引くほどの執着愛がこの作品の見どころの1つです。

コテコテヤクザではない、スッキリイケメンヤクザの男にも女にもモテる亮平。しかし、本人は鬱陶しいほどの執着愛を真に捧げています（笑）
それを見守る、亮平を取り巻く人々が、彼の重ーい愛を一身に受けている真に同情しながらも、子どもっぽく不器用な亮平の恋が成就するように、コソコソと動いているのが、また良いのです。
特に、舎弟の南くん、若頭の不破さん、百合姉さんなどの素敵な面々が、亮平の少し悲しい生い立ちを殊更押し付けることなく、真の不安を取り除きにかかります。

この作者さんの作品では、主人公たちの心の奥深くの柔らかい部分にある感情を、少しコミカルだったり遠回しのセリフで描いていたりするのに、いつもその感情だけが怒涛のように私の心の中に流れ込んできて、いつの間にか胸が痛くなって、涙が出て来るのです。

作者さんの作品をこれで4つ読ませていただきましたが、涙を流さず読めた作品はありませんでした。
派手な絵面やセリフは無いのに、この表現力。とても良くツボを分かっていらっしゃるなぁと感心すると同時に、本当に本当にどの作品も心に大きな爪跡を残し、何度でも読み返したくなるのです。
今回も、レビューを書くにあたり、２回通り読みました。でも、書いていると、もう一度読みたくなります。

この中毒性を味わいたい方、本当におすすめです。
まだ続くようですので、楽しみに待ちたいです。どんなラストを迎えるのか、今から予想してみようっと！