【ネタバレあり】[小説]黄色いダイアモンドのレビューと感想

重め、色々考えさせられる

「黄色いダイアモンド」「歯が痛い」「十年愛」の3部構成。表題作はカップル間のお話、「歯が痛い」は主人公と息子のお話、「十年愛」は息子の恋愛、という順で書かれていました。
挿絵の先生のファンで購入しましたが、結構衝撃的な内容でお色気ムンムンなBL小説とは違いますね。むしろ、同性カップルが直面する現実的な問題点や社会的にも問題視されるような事がリアルに書かれていました。
「歯が痛い」については、イジメの描写が痛々し過ぎて俊一が可哀想なくらい。苦手な方は、そこを飛ばして「十年愛」をお読になっても十分楽しめるかとは思います。
色々な要素が満載ですが、登場人物の心理描写が丁寧に、そしてテンポ良く描かれていますので一気読みしてしまいました。
全編通して、内容的には満足です。ぜひ実写ドラマ化して頂きたいくらいに。
きっと同じ様な経験をしている方も多いかと思いますし、何かの励みになるかもしれません。
少なくとも自身は、共感できる内容が多くあり、久々に目頭が熱くなりました。
周囲にはこういうカップル・家族・友人がいない方にも、作品を通してこういう事もあるのだと知るきっかけになるんじゃ無いでしょうか？
純粋に、フィクションとして楽しめる作品ではありましたので、(こんな暗めなレビューですが…)ぜひ多くの方に読んで頂きたいです。