みんなのレビューと感想「BEAST OF BLOOD」（ネタバレ非表示）（3ページ目）

理解したら凄く面白い！

オメガバースに似通った世界。
三種の特殊性が、本書のタイトルの頭文字BOBと呼ばれています。
少し複雑で結構字も多いけど、頑張って読み続けて欲しいです！
私は2度読んで理解しました。

親の再婚で兄弟になった4人の恋愛模様と特殊性故の苦悩と苦労が短編式で書かれて行きます。
メインのカップルは主人公で「ニーナ」の春雷と「ヴァンプ」の芙蓉。
でもその他の兄弟や登場人物も魅力的。
男性同士の妊娠可能で、能力者は16歳でもう大人など、物語全体の違和感をなくしてくれる設定は良きです。

星名先生の描く絵は相変わらずの最高クオリティです。
イケメンだ！やっほーー！ってなります！
表紙だけでもずっと見てられる。
それ以上に私が素晴らしいと思うのは、美しすぎる背景です。
花・雨・海・窓枠から室内まで一つ一つ丁寧に仕上げていらっしゃる。
何回もため息漏れて見つめちゃうくらい。

ただですね、ひとつだけ。
この作品を長編で読みたかった。
もっとじっくり一つ一つのエピソードを読みたかった。
これだけの内容を一冊に纏めたのだから駆け足になってしまうのは仕方がない。
きっと3巻まで余裕で引っ張れるくらい、しっかりとした軸はできてるのに。
まあそれは、出版社や作者様の都合があるので私の我がままなのですが。

1度目は設定を理解して、2度目でしっかり物語を楽しんで、3度目で画作に酔いしれる、そんな素敵な一冊でした！