3.0
描かれなかった部分の方が、気にかかる作品
闇とか病みがあるかと期待して読んだけれど、ライトに淡々と話が進み、何も残らずに終わってしまった。
主人公の直樹の言動が、幼稚で我が儘で自分本位で、思慮が浅薄で見苦しい。簡単に言っちゃえば、全く魅力のないガキ。
そもそもNTRの喧嘩で叔父宅に謹慎って、過保護なのか責任放棄なのか、意味不明な親の言い付けを、諾々と受け入れる。お育ちのいいご家庭かよー。(この親にしてこの子あり!)
こんなのが高校生じゃなくてもう大学生だったのが終盤にわかり(本を読み始めたのが大学時代から)、一番の驚きだった(笑)。
叔父の榊とゴーストの景との関わり合い、心情の機微の揺らぎが、もっと見たかった。(直樹が当て馬で、本命は叔父の榊でもよかったのに……)
ラストは、榊と景の詳細を描かないことで、いろいろ想像させる結末。
なので、描かれた部分よりも、描かれなかった部分の方が、気にかかる作品だと思った。
女の子とのえっちカットあり。苦手な方はご注意ください。えっちは少なめで、あまりエロくなかった。
by
タツの子
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