4.0
究極の愛の形…
オメガバース作品でのハッピーエンドは、やはりαとΩが愛し合って番になることなんですかね。だとしたら、本作もハッピーエンドということに。
タイトルからも連想されるように、愛ゆえの独占欲が高じて、相手を囲い込んで閉じ込めて、視線すら遮断する…そんな究極の愛の形は賛否両論あるかもしれません。
けど、幼い頃から第二性がΩという理由で、一族の恥さらしと貶められ、継母や旧友からも疎まれてきた陽のことを考えたら、そんなしがらみを一切断ち切って、二人だけの世界で溺愛したいと廉司が望む気持ちは充分理解できます。
幼少期、パーティーで淋しそうに立ちすくむΩの陽を見つけた、α至上主義・一条家の兄弟、廉司と衛司。
感情を表すことのない廉司は、陽を運命の相手と感じ、番となって守る約束を交わしますが、ある日陽の前から消えてしまい、それを愛想を尽かしたからと伝え、代わりに陽を守ろうとする衛司。でも衛司にはαの婚約者がいて、陽よりも優先させている。そんな時に廉司が現れて…。
廉司と番になって海外で暮らす陽は『小鳥ちゃん』と廉司の友人に例えられるように、廉司の存在だけを支えに生きている様子。
陽の笑顔が見られず、暗い眼が気になりますが、自分で望んで廉司を選んだのだから、彼は最高に幸せなのだと信じたい。
あのまま日本にいても生きづらいだけだし、衛司には家族の反対を押しきって陽を家族に迎えることはできなかったと思うから、これから廉司の子供を産んで、もっともっと幸せになって欲しいと願ってしまいます。
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