みんなのレビューと感想「The Mark of Watzel」（ネタバレ非表示）

紙本で残してある名作です

武富智先生は元々好きでしたが、本作を読んで私の武富先生への愛は一生のものだと確信しました。

作中の「怪盗ワッツェル」は華やかでかっこいい夢のある物語なのでしょうが、舞台はテレビ画面の外のすすけたような現実世界。
登場人物たちは怪盗ワッツェルのように強くはない。つらい結末を迎えるのは目に見えている。
でも、はたからは無力同然に思えるあがき、葛藤、祈りが本当に美しく胸を打ちます。

昔の穏やかなフィルム映画を観ているような雰囲気ですが、心に残るものは鮮烈です。

本当に良い漫画です。「漫画好き」という人にはリアルでもおすすめしています。