【ネタバレあり】[小説]美形は苦手なのですがイケメン貴族に溺愛されましたのレビューと感想

チャーミングなヒロインが◎

明るく聡明で、あたたかい心の持ち主であるヒロインが魅力的でございました。
努力家ですし、ウジウジし過ぎずに、恥じらいつつも、自分の気持ちをきちんと伝えようとする所は好感が持てます。

一方で、ヒーローはイケメンであるだけでなく、地位もセンスもあり、博識で、、、というところまではよくわかる！なんてステキな紳士！
あまり出さないようにしているのかもよくわからなかったのですが、ところどころエッ？！とびっくりしちゃうような腹黒なキレ者要素も持ち合わせながら、父親との関係から気弱なフリをしているのもよしとしましょう、、、
しかし、ヒロインに対して、なんでそこまでヘタレなの〜？！
結局、ヒロインの気持ちが自分に向いているとわかるまで、妙なくらい友人のふりを決め込むわ、挙げ句別人に成りすましてヤっちゃおうとするわ、それがヒロインにバレたと勘違いしたらスタコラ逃げるわで、せっかくステキな紳士なのにヘタレ過ぎるざますわよヒーロー、、、
そしてヒロインが、勇気を出して気持ちを表現してから、なんだか急にガツガツ積極的になって（これが持ち前の性質？）、、、
お口の悪いヒロインおば上の意図も汲み取れ、贈り物などにいたるまで、スマートすぎるステキさを発揮しているのに、このヒーローのウジウジ具合はチャーミングとは申し上げられず、なんとなく好ましく思えない残念要素で、ヒロインが魅力的なだけにすっきりいたしませんでした。

ただ、ヒロインにトラウマを植え付けたあの夫婦、、、お話からはヒーローから恐ろしいような仕置きが想像されますが、一体どんな目にあったのでしょうか？！

脇役キャラがとても魅力的でした。ヒロインおば上や、ヒーロー父上などのサイドストーリーが読みたいものです。

また主人公お二人がいたすシーンは、心を通じ合わせてからなので回数も少なく、愛情は感じられて幸せそうなのですが、もうちょい濃いめがよかったなと。

このお話は、ラブの部分ももちろんあるのですが、情景描写がステキだなと思いました。ヒロインとヒーローが、心を通わすポイントになるいくつかの出来事も、快活で楽しく思っている様子が伝わってきて、これは惹かれあって然るべきだわ！と、とても気持ちのよいものでございました。