5.0
自粛疲れの声多数のこの間を大いに楽しんだ
様々な活動自粛のこの期間に、繰り返し読みました。有意義な時間をいただきありがとうございます。
登場人物の仕事の状況や生活環境が詳細に描かれています。現実に則した作りになっていると思うので、共感をもって読むことができるのではないでしょうか。
好きな場面がたくさんあります。心掴まれるのは空港のシーンです。早瀬さんが必死に走り寄っている姿が、一番欲にまみれて苦しいように見えました。まちこのことが愛しくて仕方ないんだろうなぁと。
まちこが最後ギリギリまで、「早瀬さん」と呼んでいたところが、まちこの生真面目さを現していたように思えて素敵です。
そして、最初と最後のベッドでの会話で、「気まずい、のお客様の声多数のこの間を・・・・・・」とありますが、なぜかこの台詞が好きです。わたくしの彼が、ベッドからわざわざクローゼットまで歩いていってゴムを取ってくるんですよ、毎回律儀に。不満とまでは言わないけど、不思議に思っていましたが、この作品を読んで謎が解けました。この時間を楽しんでいる人が居るんだと。そう思ったらたちまちその場面、台詞が愛しく思えました。
それから、早瀬さんがまちこに一目惚れした瞬間が知りたい!一目惚れ~コンドー部異動の流れを知りたい!大事なトキメキシーンをさらりと流すなんて、作者さん酷いですよ。早瀬さんは何に惚れたのかな。そんな想像をしながら何度も読み返しています。
そして、この作品の素晴らしいところは避妊具、性生活に対して真剣に向き合っているところではないでしょうか。作者さん徹底してお調べになったのではないでしょうか?高校生に対してゴムの大切さを伝える場面は、実際に学ぶべきところがありますね。大人の大事な役割ですね。生活と密着している話題でありながら、恥ずかしいものとして存在しているような気がします。いつか、ゴムが生理用品くらい気軽に買えたり話題にできたりする時代が来るといいと思いました。
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