5.0
オジサン好きな方に、ぜひオススメしたい…
『遅れてきた春は。』『箱庭の人形』の、野萩あき先生。
今回は、閲覧期間があるのと、60Ptなのがネックですが、オジサン好きな方にぜひオススメしたい…と思いました。
ストーリーの展開上、リバになりますので、苦手な方はご注意を。しかし、必然があり、愛情を感じるリバだと思います。
高校の元同級生で、お互いに彼女がいてWデートをしたり、仲のいい友人関係を続けている修(表紙左、受け→攻め)と義明(表紙右、攻め→受け)。
ただ、性欲処理と言って2人で抜き合うのもずっと続けていて…。
※以下、ネタばれです。ご注意ください。
義明は、新しい部下の勘違いで連れて行かれたゲイバーで、修と遭遇。ゲイばれした修は、ずっと義明が好きだったこと、付き合うか縁を切るか(修は縁を切られると覚悟していた)、決めてほしいと義明に言ってくる。
いきなり核心をネタばれしてしまいましたが、長年の片思いものの中でも、じっくり丁寧に2人の関係の変化を描いた作品だと思います。
修がゲイばれする前の友人関係もしっかり描かれていて、一番親しい仲ながら切ない修の様子も垣間見え。
いざ付き合い関係を持つ時に、受けを怖がる義明のために、タチの修が受けに回る一途な気持ちに、十数年の片思いの重さを感じました。
そして、義明の「好き」が身体の関係だけでなく心も追い付いた時、自然に義明が受けに回る展開にも、愛情を感じ。
友だちから恋人へと、少しずつ気持ちが移行していく様子が、切なく愛しい。
修の「夢で100回はお前にフラれた。現実になるのが怖かった。」と言った台詞が、胸に迫りました。
おそらく、義明の後輩君の勘違いでゲイだと知られなければ、修は一生義明に言えなかっただろうな…と思うと、その湘南の浜辺のシーンは、自分も深く印象に刻まれました。
地味ですが、じっくり読むいいストーリーでした。
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