独占漫画家インタビュー:らんこくみ「漫画を描く人は、みんな変態で天才!」

独占漫画家インタビュー:らんこくみ「漫画を描く人は、みんな変態で天才!」

「変態上司は私のカラダに用がある」では、変態すぎる一面を持つイケメン上司と、それに振り回される主人公の様子をコミカルに描いているらんこくみさん。ただのイケメンではなく、強烈なギャップを持つキャラクターですが、一体どのように生まれたのでしょうか?

ずっと変態でオタクなキャラを描きたかった!

――「変態上司は私のカラダに用がある」 (らんこくみ) 、単行本化おめでとうございます! ご自身の漫画が多くの人に読まれていることについて、どう思いますか?

読者の方からこんなに反響をいただいたのは初めてのことだったので、とてもビックリしています。純粋に嬉しいです! コメントを一つ一つ読みながら、スマホ越しですがお礼を言っています。本当にありがとうございます!

――――本作で、らんこくみ先生の一番のお気に入りのエピソードは何ですか?

風邪を引いて寝込んでしまった雪代樹(ゆきしろ いつき)に代わって、相原千夏(あいはら ちなつ)がコミケへ初参戦するシーンです。

私も昨年末に初めてコミケに行ったんですけど、すごくパワーをもらえました! その分、パワーも吸い取られましたが(笑)、こんなイベントがあったなんて! と感動しました。夏コミも楽しみです。

雪代に代わり、千夏がコミケへ行くシーン

雪代に代わり、千夏がコミケへ行くシーン
変態上司は私のカラダに用がある
(c) らんこくみ

雪代に代わり、千夏がコミケへ行くシーン

雪代に代わり、千夏がコミケへ行くシーン
変態上司は私のカラダに用がある
(c) らんこくみ

――「変態上司は私のカラダに用がある」では、女子の憧れの的である上司の意外な一面を発見してしまいます。らんこくみ先生が目撃してしまった、誰かの“意外な一面”はありますか?

近所のコンビニで働く、接客する声も小さく愛想もあまりない…なんなら「この娘カンジ悪い」と思っていたバイトの女の子のことです。

ある日、お会計を終えて店を出て100メートルぐらい歩いていたら、その子が私のところまで「お客様ぁああーーー! お弁当ぉおおーーーー!」と、聞いたことがない大声で叫びながら猛ダッシュしてきたんです。何事かと思ったら、レンジでチンして渡し忘れていたお弁当を持って、必死に追いかけて届けてくれたのです。

その後も相変わらず愛想のない彼女ですが、その一件以来、彼女がレジをしてくれると1日中嬉しいです。

イケメン上司の意外な一面を知ってしまう千夏

イケメン上司の意外な一面を知ってしまう千夏
変態上司は私のカラダに用がある
(c) らんこくみ

――お気に入りのキャラクターは誰ですか? また、キャラクターづくりで参考にしているものがありましたら教えてください。

ずっと変態でオタクのキャラクターを描きたいなと思っていたので、雪代さんは念願が叶って嬉しいです!

私自身、何事も狭く浅く…になってしまうところにコンプレックスがあり、一つのことに人生をかけて夢中になっている人にすごく憧れがあったので、その気持ちを雪代さんに詰め込みました。

二次元のポーズをとらされる千夏

二次元のポーズをとらされる千夏
変態上司は私のカラダに用がある
(c) らんこくみ

女の子のキャラは、周りの友人の恋愛話を聞いて膨らませることが多いです。学生の頃だったら、イケメン好きでアイドル情報も誰よりも詳しいけど、身近な男子とは恥ずかしくてあんまりしゃべれない子、とか。親しい友人でも恋愛している時に意外な一面が見えることがあるので、恋バナは何歳になっても面白いです!

――本作について、今後の見どころについて教えてください。

おあずけ続きのじれったい関係だったので、二人が結ばれるところはたっぷりと…おいしさテンコ盛りで…♡ 乞うご期待です。

雪代さんに情熱的なキスされる千夏

雪代さんに情熱的なキスされる千夏
変態上司は私のカラダに用がある
(c) らんこくみ

あと雪代さんも見た目やスペックだけじゃなくて、かっこいい行動ももっともっと見せられるように頑張ります!

漫画家さんは、みんな変態で天才!

――らんこくみ先生が漫画家になろうと思ったキッカケ、漫画家になった経緯を教えてください。

子どもの頃、学級新聞の4コマを任されて描いたら皆に褒めてもらえて、それが嬉しかったのを覚えています。それから漠然と漫画家やイラストレーターという職業に憧れを持っていましたが、成長するにつれ絵も描かなくなり漫画もそれほど読まなくなり…。大人になって販売の仕事をしていて、もっと全部を自分で出来る仕事ってないかな~…と、ボンヤリ思うことがありました。

そんなとき、漫画家さんのドキュメンタリー番組を偶然見たことが、漫画家を目指すきっかけになりました。徹夜で原稿を仕上げたり、ネーム作りに苦しんでいたり…そんな漫画家さんの必死な姿にものすごく感銘を受け、「コレダァアアアア!!!」と、この世界に飛び込んだんです。

毎日漫画を描くような生活を送ったことがなかったので、毎日毎月、何コマ何十枚と作品を生み出し続けることの異常さに、始めは本当にビックリしました。でも同時に「世の漫画家さんって、みんな変態で天才だ!」とワクワクしました。今もそんな漫画や漫画家さんに出会い続けられるので、ワクワクしっぱなしです。

――今まで読んだ中で、特に印象的だった作品は何ですか? 最近ハマっている漫画もあれば教えてください。

「まっすぐにいこう。」(きら/集英社)のきら先生の作品は、昔から好きでずっと読んでいます。作風が幅広くてかっこいいんです!

印象的だったといえば、「坂道のアポロン」 (小玉ユキ/小学館) は、本屋で買った帰りの電車で、家まで我慢できずに読んで、車内で嗚咽するように号泣した覚えがあります。

坂道のアポロン

坂道のアポロン
坂道のアポロン
(c) 小玉ユキ/小学館

  • 坂道のアポロン
  • 1966年初夏、横須賀(よこすか)から地方の高校へ転入した薫(かおる)。幼い頃から転校の繰り返しで、薫にとって学校は苦しいだけの場所になっていた。ところが転入初日、とんでもない男と出会い、薫の高校生活が意外な方向へ変わり始め…!?

最近では「金のひつじ」 (尾崎かおり/講談社) と「まじめだけど、したいんです!」 (嘉村朗/アイエムエー) が好きで、「あの子たち今どうなってるのかな?」って登場キャラを思い出しちゃうくらい続きが気になっています。十代の未熟な子たちの悩みや、持て余した色っぽさを上手に描いていて、ものすごく憧れます。

初キスをしてドキドキの学生カップル

初キスをしてドキドキの学生カップル
まじめだけど、したいんです!
(c) 嘉村朗/アイエムエー

――今後、挑戦してみたいジャンルやストーリーがあれば教えてください。

戦う女の人を描いてみたいとずっと思っています。ルックスだけで言うなら、「GANTZ」 (奥浩哉/集英社) みたいな、ピッタリのスーツを着て戦う強くて逞しい女性。とても萌えます!!

基本的にはラブコメが好きなんですが、映画版の「クレヨンしんちゃん」(臼井儀人/双葉社)とか、「世紀末リーダー伝たけし! 」(島袋光年/集英社)のような、普段はギャグをやっているようなキャラクターのシリアスなシーンもとても好きなんです。なので、そうしたストーリーも描いてみたいですね。

タイトな戦闘スーツで戦う女性キャラ

タイトな戦闘スーツで戦う女性キャラ
GANTZ
(c) 奥浩哉/集英社

また、原作付きの漫画も挑戦してみたいですね。自分とは全然違う価値観をもっと吸収して、自分の漫画の表現をもっともっと探っていけたら嬉しいです。物語を創るのが好きだったり、自身の体験を世に広めたい! と思ったりしている方と一緒に何かするのも、自分の世界が面白く拓けていけそうな気がしています。

販売職から一転、漫画家さんの働く姿に感銘を受けて、この世界に飛び込んだらんこくみさん。どこか残念なギャップを持つイケメンなど、一筋縄ではいかなさそうなキャラクターと魅力的なストーリーを、これからも生み出し続けてください!

プロフィール

らんこくみ

宮城県出身。販売職を経た後、漫画の世界に飛び込み、「Sho-Comi」(小学館)でデビュー。現在、「変態上司は私のカラダに用がある」をめちゃコミックで先行配信中。同作の単行本が発売中!

らんこくみさん

◆らんこくみ 公式Twitter

https://twitter.com/rankokumi

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