5.0
主人公は千早ですが、改めて読み返すとこれは太一の成長物語だな、と感じます。
頭脳明晰、眉目秀麗、芯の部分に優しさを持っている彼は、普通なら十分主役になれる存在。
ただ、小さい頃から二人の天才に挟まれ、いつも心のどこかにコンプレックスがあり、そんな自分を受け止めきれない。千早や新のようにかるたが全てではないからこそ思い悩むことも多く、これでもかといわんばかりにしんどい局面が次々訪れます。
そんな太一がもがき苦しみながら、かるたや周囲の人々との関わりをを通じて、弱くて強い自分と向き合っていく姿に、何度も涙しました。
恋の結末については賛否両論あるようですが、二周目に読むと、千早の中でどれだけ太一が大きな存在か、だいぶ早い段階からあちこちにその思いがちりばめられていることがよくわかります。私の中では納得の結果です。
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ちはやふる