4.0
前半がめっちゃ好き
台詞全部覚えるほどアニメを何度も何度も観ていたのですが、アニメ最終回と同じ辺りで原作も離脱してしまい、長年そのままになっていました。
アニメ最終回は文化祭直前なのですが、ここまではほぼ原作通りですね!この辺りまではテンポ良く笑える部分も沢山あり、高校生特有のいろんな感情や友情等がキラキラと描かれていて、今読んでも「やっぱりカレカノ好きだー!」と思います。
『鋼の雪』以降は今回初めて読みました。
そういえばどんなストーリーだったのだろう?と気になり、仕事の合間や睡眠を削って3日で読了しましたが、個人的にはつばさと一馬のくだりが長過ぎてリタイアしかけました。。
尺長い割に主人公2人とはほぼ無関係。有馬とつばさに通じる物や、有馬と一馬の友情を描くにしても、、、いやーだいぶ長かった。。
いくらつばさに恋愛感情がなく、成長拒否した幼い少女のままだからとはいえ、一馬へのベタベタっぷりは異常だし、もうつばさは良いから有馬と雪野出してくれと何度思ったことか。。
ただ全て読了してみると、作家さんは「その人物がどうやって形づくられてきたのか、その人をその人たらしめているのは何なのか?」というバックボーンに重きを置いて、丁寧に丁寧に描きたい人なんだろうなぁと物語や登場人物への真摯さや熱意を感じました。有馬はもちろん、怜司、総司、志津音さんの心情がとても丁寧に描かれていましたよね。それぞれがどんな風に大切に思い、思われていたのか。これを知ることができたのは読者としてもとても満たされました。
ただ生みの親登場〜総一郎が周りの人たちと心を通わせるまではかなりの鬱展開が続くので、読むのが辛い場面も多かったし、途中から画がガラリと変わって私の好きな雪野さんじゃなくなってしまった…とショックだったのと、予期しない妊娠のくだりは正直好きになれません。妊娠に至ったシーン(総一郎が雪野に乱暴に感情をぶつけている)と、妊娠出産に対する責任や覚悟、ことの重大性が軽々しく描かれているようにしか見えず嫌悪感を抱くからです。
お互いしっかり者だし、どんな未来でも共に歩むという2人の強い意志の現れ、なのだとしても、あまりに飄々アッサリし過ぎてて、軽視してるようにしか見えないのが残念です。
総合としては総一郎が心を開いて、彼本来の笑顔や感情を取り戻せたことは、素直に喜ばしく良かったなと思います。
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彼氏彼女の事情