3.0
絵は綺麗
男性側が人ならざる物で、人間の女性パートナーを想い続け、紆余曲折ありながら女性側も惹かれていき、やがては結ばれる…っていうありがちな大道ストーリーです。
人物も背景も画は総じて繊細。丁寧に描かれていて、特に花びらが舞うシーンやお屋敷の外観などは息を飲む美しさです。
個人的には
①幼い頃からずっと辛い境遇にあったはずの主人公が「もう死にたい」と思い至るまでなぜ助けなかったのか
②なぜ主人公があんな辛い境遇に置かれてしまったのか(美少女で性格も良いし、きっと彼女のことだから家事も勉強もできたのでは?)
③想いを重ねるまでの展開が性急。溺愛されるあまり、ただ溺れたり洗脳されているようだった。(彼女はずっと孤独だったのに、人から愛されることの恐怖心とか捨てられる不安とかはないの?それすら考えないほど愛情に飢えてたってこと??)
④千家先輩がただの身勝手な男で残念すぎる。
(「男巫女だかお祓い師だかよく分かんない学校の先輩」ってだけのほぼ見知らぬ人間が、めちゃくちゃ土足で一方的に踏み込んできて情緒もへったくれもない)
など気になる点は多く、それぞれ葛藤とかいろんな感情がある筈なのに描かれ方が不足しているなと感じます。
先述の通り、画が綺麗なのでそれ見たさで最新話まで読みましたが、個人的にはストーリー展開の背景や、人物の心情描写ってかなり大事だと思っているので「作品」としての完成度はあまり高くないかな。
でも単純に「美麗な鬼に溺愛される」のだけを楽しみたいのなら、画は本当に綺麗なので十分だと思います。
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鬼の千年恋