2.0
最後が納得いかない
ローズモンドの処刑あたりから急に話が駆け足に、展開が粗雑になった印象が拭えません。
ローズ亡き後、皇帝皇后が相思相愛になるまでも急に進んだ感じはありましたが、まぁそこはローズが退場したことで急接近、という展開で理解できます。でもそれにしたって、それ以外の未回収部分が多くないですか?
まず、ローズの処刑が訪れても尚、ローズの内面の描かれ方が今ひとつだった点。彼女がどうしてあのような性格になったのか、なぜ皇帝を利用し、周りにあそこまでの敵意を向けるのか、彼女の過去に一体何があって、断頭台で最期の瞬間を迎える際にどんなことを思ったのか、などが最後まであまり描かれませんでした。
と同時に、ローズとローズ実家との確執や、エフレニー公爵家の恥部など、大元のキャラクターには直接関わりのない部分までがストーリーに関わってきたのに、その背景や彼らのその後がきちんと描かれぬままですよね。
皇帝皇后夫妻のことも、皇帝の心の傷や(まさか皇后とくっ付いたからと言って一瞬ですっかり治るわけじゃありませんよね?)、皇后の石女問題も、結局最後まで真相は明らかにされないままでした。
一番納得がいかないのは「カラーでいくらでも選びようがあったであろうローズとペトロニラの髪色を、何故わざわざ同じ色にしたのか」という部分です。
深読みし過ぎと言われたらそれまでですが、前述のエフレニー家やローズ実家の過去が暴かれたりしましたし、双子のバックボーンにも他家との関わりや、出自に何かしら特別な事情があるものだろう、髪色はその伏線だと思っていました。。
いや何も関係ないんかーい。だったら何でわざわざおんなじ色にするのよw
ペトロニラもポッと出のお坊ちゃんと何事もなく結ばれちゃいましたし、ローズの処刑が済んだら何だか急にご都合主義的な展開ばかりというか、色々と回収しきれていないなという感想です。
こんなにあっさりまとめるならば、あの手この手でローズと長々すったもんだしたのは何だったのか、、、とすら感じます。
結末について「主役の3人が報われた」という点は評価しますが、作家が途中で描くのやめた?と思ってしまうような最後だったので、総合的な評価はかなり下がりました。今からでもいいから、まだ続き描いて欲しいくらい。
ストーリーの大筋と、ローズ処刑あたりまでは面白かっただけに残念です。
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復讐の皇后