5.0
売れっ子作家さんだけに
安定感と王道感が半端なくて清々しく感じました。
正直なところ、この作家さんの作品は売れていると知ってはいますがあまり琴線に引っ掛からず未読です。ただ、話題になるからにはそれなりの中身があるはずで。気になっていたのが、今回はテーマ的に興味を惹かれたのでようやく目を通しました。…そして、全購読しました(笑)
私は王道が好きです。変に通ぶる方は「王道なんてダサい」「使い古されていてチープだ」と言うかもしれません。言いたいことは分かるし、そう思う時期が誰しもあるでしょう
けど、チープでつまらなければ誰も評価しません。「王道」と呼ばれる使い古された展開が、なぜ使い古されても廃れずに残るのか。それは否定的な意見よりも圧倒的に肯定的な多いからです。ほぼ誰の心にも届くようなものって必ず存在するんです。何回観たって感動する。展開は知っているのに何度でも観たくなる。それが「王道」です。この作家さんはそれをちゃんと理解されている気がします。
ただ一つ、結婚の約束をした彼ですが、読み進めるうちに「ちょっとキャラの方向性が変わったんだろうな」と思って、それは少し残念でした。…とは言っても、読者の反応やら、然るべくしてそうしたのだろうから仕方ないとは思いつつ。
当初は完全にサイコパスキャラ(ハンターハンターで言うところのヒソカのような)で、口は笑っているのに目は深淵で。人を殺めることに躊躇いがなく、命令に忠実な癖に気まぐれ。「愛が重いけど」と発言していたので、このサイコパスがどう溶けて絆されていくのか楽しみでした。
が、回を増すごとにどちらかと言えば「愛を知らず、動物に育てられた」無垢な青年、といった雰囲気に。…アレはアレで可愛らしいので、女性の母性を刺激していそうで憎いヤツです(笑)
何にしろ、恋敵とも一悶着ありつつ新展開が近そうなので、続きも楽しみにしています(現在59話)
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ホタルの嫁入り