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  1. 評価:5.000 5.0

    じわっと感動、読む度に

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    単にエロキュンするだけのBLじゃなくて、ストーリーがしっかりしてる。もうめちゃくちゃお気に入り!序盤は、椎名が持つ天才的なギターセンスの虜になりながらも、その才能に嫉妬し葛藤する新、後半は、突発性難聴により聴力が落ちてしまった椎名の不安や成長が丁寧に描かれています。読んでいて切なくなるシーンやセリフがいっぱい。ネタバレになるけど大好きな場面を書いちゃいます。
    ①お寺の濡れ縁での初キスシーン
    新の「あーあ、やっちまった」って心の声。この時すでに新は椎名にハマってるはずなんだけど、クールに振る舞う姿にヤキモキしてしまいます。
    ②田舎の夜道で椎名が新を送っていくシーン
    自然が奏でる音(蛙の鳴き声や雨の音)を椎名が「好きな音が重なってロックみたい」と表現するところ。残念ながら新には自然の音が聞こえるものの、それをロックみたいと感じることが出来ません。椎名に嫉妬し苦しむ新は、椎名から離れることを決意します。
    ③東京へ向かう新が椎名を想うシーン
    椎名が初めてレコーディングしたカセットテープを聴きながら、声を出さずにボロボロ泣いているところ。胸がぎゅって締め付けられます。
    ④東京で再会した二人が将来の話をする中で、新が自分はバンドをしないと宣言するシーン
    大好きな事をそのまま職業に出来る天才肌の椎名と、得意な事を職業として選択する新。新のセリフ「人生って選択の連続って言うだろ?1年後、10年後、もっとその先の俺が後悔しない方を選んだ。それだけだ」
    この時の新の表情とセリフ、心にしみました。
    ⑤二人で帰省した際、難聴の椎名におねだりされて新が思い出の曲を弾いてあげるシーン
    <お寺の部屋の中から濡れ縁が見えている>という景色は何回か登場しますが、このシーンは特にお気に入り。あたたかい気持ちになります。
    ⑥ ⑤のあと夜道を二人で歩くシーン
    昔みたいに自然の奏でる音が聴こえなくなった椎名が「アラタのギターだけは聴こえたんだ、ちゃんと・・・変なの」って泣き笑いしながら言うところ。ここは感情移入して泣きそうになります。
    ⑦冒頭の新と椎名の会話
    久々に帰国した椎名が新に「編集者って楽しい?」って聞くシーン。しばらく間を置いて「ああ・・・楽しいよ」と答える新。物語を一通り読んだ後のこのシーン、胸の片隅がチクっとして切ない。読む度に感情移入する場面が増えて飽きません。ほんとお勧めです。

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