5.0
漫画の歴史に残る 老若男女読むべき!
もう名作、菅野文って天才。
シェイクスピアのリチャード3世の生まれつきの体の障害の設定を変更することで
王が主役でありながら少女漫画必須の「恋愛」要素を組みこんでいる。
陰謀まみれのストーリーもすごくわかりやすい。
絵もゾクゾクするほどキレイ。
血で血を洗う薔薇戦争のただ中で、希望の光を手にしては失い続けるリチャード。
優しく、信心深いが故に戦時に王としていることに耐えられないヘンリー6世。
その王に代わり戦い続ける王妃マーガレット
わがままな王子であったのが初恋で成長し、王子として勇敢な最期を迎え、
悲しい初恋を終わらせるヘンリー6世の子エドワード
キングメーカーとして氷の精神を持っていたはずが、恋愛感情に壊れていくバッキンガム。
リチャードと幼いときに心通わせながら父親の思惑でエドワードに嫁ぎ、
心がすれ違うままリチャードの妻となるアン。
敵方で夫が戦死し、夫の敵をとるためにヨーク家の王妃となるエリザベス。
リチャードの秘密を知りながら、幼き時からリチャードを主人として尽くし続けるケイツビー。
みんな生きざまがすごすぎる。
そしてみんなが不幸すぎる。誰かひとりくらい幸せになって。
リチャードがハッピーエンドを迎えられるはずはないから。
- 20
薔薇王の葬列