5.0
あの作品…
有名な「マトリズム」の作者さんの作品、と言えば
ある程度、漫画を読み込んでいる方なら、あの、独特の「狂った眼球」のタッチを思いうかべるのではないでしょうか。
本作は、原則、やってはいけないクスリに手を出した人間は、ほとんど(現在50話ほどまで読んだ時点で)、出てきませんが、
いわゆる、重度の精神疾患になった方の、家族らの苦悩に焦点を当てた作品です。
もはや、自分の言動を理解している状態にない「患者」らを、どうしたらいいのか、困り果てた家族が行き着く、
「トキワ精神保健事務所」。
ここは、公的機関でなく、所長(医師の資格はないようだが、弁護士と対等に対決するなど、かなりの頭脳の持ち主)と、助手の女性の2人体制にて、さまざまなケースに対応する、民間ケースワーカー機関、とでもいえばいいでしょうか。
無事に収まることがあれば、どうしようもない結末のものもあり、読み進めるには、マトリズム以上の精神力が必要かと思います。
特に「あの眼球」が、毎回のように出てきますので。
疾患の当事者である知人が読んだところ(通院中)、「〇〇でわかるナントカ」のような、どこか患者をバカにしているようなおふざけ作品を、自然に駆逐してくれるであろうほどの、深く真理に迫った傑作とのことでした。
(こちらを読んだら、〇〇でわかる、なんて、アホらしくて、誰も読まなくなり、絶版になるという意味らしいです。)
なお、某SNS系アプリのように、毎回、コメントができるものでは、あまりコメントを投稿しないことを、個人的には、おすすめします。
(めちゃコミで読むのがいちばん)
疾患の当事者、家族、知人、医療及び施設関係者、関連学校の学生、そういう方々を受け入れているアパート経営者など、じつに多種の「関係者」が読んでいるようでして
実例として、1000件近くの「いいね」をもらっている投稿が、その反面、すさまじいまでの反論投稿をされており、私は医療関係者でもないのでわからないのですが、投稿内容にあるわずかな「ほころび」を突いて、200字の制限でよくできると思うほどに糾弾するコメントや、「ネットで拾ったであろう浅はかな知識をひけらかすなバカ」といった、カオスの状態となっており、まさに「うかつな投稿などしないほうが身のため」です。
めちゃコミは、平和なので、こちらで読み進めたいと思います。
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「子供を殺してください」という親たち