漫画好き。さんの投稿一覧

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  1. 評価:5.000 5.0

    ブサイク

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    初めは正直、あまり惹きこまれませんでした。暇だから仕方なく読んでた感じ。

    でも、誰もが親子の愛情構築関係を不幸だと確信していた、主人公の亜姫も、亜姫同様王位継承者である他国の旦も、実は愛されていた。笑顔もなく、抱擁もなく、無慈悲な扱いこそ受けていたけれど、むしろそれこそが王位継承の可能性がある我が子だからこそへの『鬼』と成れる親心だった。

    愛するというのは、子を育てること。育つというのは、親がいなくとも依存することなく逞しく生きられことだ、とひとつ学べた気がする。でもそれは、自分以外に子の傍らに、笑顔や温かさを与えてくれる者がいる、という前提があってこそ成り立つことができた愛情表現であったようにも思える。

    人には役割というものがあって、その役割を己で決断したとき、己の人生を燃焼できるのであろうなぁと。

    最近に多い、転生もののチートストーリーとは真逆に、都合の良いストーリー展開なんかはなく、運は降ってくるものではなく、行動を辞めない者だけが到達できる通過点であることと解釈できた。

    最後に、亜姫の親の仇である土妃の心を溶かしたのが、主人公で華型で因縁関係のある亜姫ではなく、ブサイクだったことが私はとても心を動かされた。人の心を動かすのは人なのだ、とストンと落ちた。
    ブサイクは国のために土妃を裏切ったが、土妃以外に自分の命を費やそうとはしなかった。ブサイクこそ、この漫画の中で最上に理想的な愛情を確立していたと思えて止まない。

    現代は、印象で人を嫌うことが常だが、本来人を嫌うということは亜姫や土妃、あるいはその他の登場人物の親子関係のように、自分はそうはなりたくないがその人を認めずにはいられない、という感情の元成り立つと思った。また、人を好くというのも同時に己に都合良く責任転嫁して他力本願しやすい劣情であり、真に好くというのは、その人に嫌われる勇気を持ちながらも隣を歩くことを決して辞めない感情の元成り立つのだと思った。

    生まれて初めてレビューを書くため、拙い文章御許しください。

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