5.0
重い…えぐられる…。
主人公美紅がイヴとの出会いをきっかけに、モラハラ婚約者はるくんからの精神的支配から逃れ、本当の自分探し?をする恋愛ストーリー。
美紅、イヴ、はるくん、の育った環境(主に親の支配)やそれぞれの関係性が丁寧に描かれていて、物語の世界に引き込まれていきます。まだ話数が少ないですが、ストーリー全体に伏線らしき種が多数あって、これをどう回収するか(しないか含む)気になる作品です。
ただ、イヴを除き、ヒロインとはるくんには、正直、共感は薄いなと。(これもキャラが、しっかり描かれていればこそなのでしょうけど)。はるくんは狡猾なサイコパスという評価は他の方と同じ。
ただ、イヴとはるくんの間で揺れ動き、あるいは最後通牒できずに、意志が揺らぐのは、結局、ヒロイン美紅が自分の気持ちに向き合う覚悟ができていないから。それに蓋をして、都度流されて環境や誰かのせいにするばかりだから、状況が変わらないのよね。(その意味で、フェーズが三者三様に描かれているとも思う)。だから少しイライラしてしまうのが正直なところ。でも、生きていく以上、他人の目や評価が気にならないと言ったらそれも非現実だし。だからこそ、共感できる部分もある。
キレイなだけじゃいられない、まさに顔に泥を塗るような経験(ストーリー)を通じて、ヒロイン達それぞれの登場人物がそうしたものをそれぞれのカタチで、いつか昇華していけるラストでありますよう願います。せっかくここまで掘り下げられているキャラなので、尻切れトンボになることなく、長く愛せるストーリーに書き上げてほしい! 現実的な要素は残しつつ、できるならハッピーエンドになるといいな。
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顔に泥を塗る