5.0
登場人物すべてが愛おしい
レビューをきっかけに読み始めました。日中ヘロヘロになりながら連日夜通し読み続け読破。読み終えた時は、とても哀しい気持ちでいっぱいになり、正直何だかモヤモヤが残りました。そして数日の間ずっと彼らのことが頭から離れませんでした。そしてしばらくして、その何とも言えない哀しみが分かり、ようやく浮上することが出来ました。
この物語は亜姫と薄星がメインで描かれていますが、実に多くの登場人物がいます。彼らは皆、誰かを、何かを想い、一生懸命生きていた。それは時には正しいやり方ではなかったり、敵対し傷つけ合うこともあった。でもそれほどまでに彼らは皆、想う人やものに愛を乞い、愛を注いでいた。それに気付いたら、あの土妃でさえも、決して不真面目に生きていたわけではなく、だからこそ、彼らがぶつかり、時に儚く命が散ることが、とても哀しく思えたのでした。
それもこれも、そう思わせる作者さんの腕がすごいんですね。どんな些細な登場人物も蔑ろにしない。各々にしっかりと背負ってきた背景や胸のうちがあり、それが明かされるタイミングだったりその内容がどれも納得してしまえて、本当にぐいぐいとこの世界に引き込まれていきます。なので登場人物すべてが愛おしく思えてしまい、読み終えた数日の間は本当に辛かった…笑
読み応えあります。
エネルギーをかなり消耗する覚悟はいりますが、こんな世界が、こんな人たちがこの世のどこかに存在した、そんな彼らの生き様を知ることが出来たことが本当に良かったと思えた作品でした。
完結してから出会えて良かった…笑。
心が落ち着いたらもう一度改めて1話から読み返したいと思います。
- 0
女王の花