5.0
怖くても見ないといけない
好き嫌いは別として、芸術表現に関わるものならば(大袈裟か、漫画好きなら、でも十分かも)押さえておかなければならない作品と思わされる。色々すごいけど、私が1番感動したのは、ねずみちゃんに無惨に秒で消される人から見える世界を、コンマの世界で表しているシーン。漫画や映画や、いろんな表現ではただただ始末されていく、モブたちの視点。死を悟る瞬間、何がどう見えているのか。それを表すことは同時に、彼らにも生きる意味がある、その殺戮の本当の惨さを、自分に引き寄せて感じることができる。それは本当に恐ろしいこと。でも、リアルに世界で起きていること。死んでいく人たちにも、人生がある。世界が、家族が、つながりが、信念がある。それをぶった斬っていくことの、おそろしさ。そしてそれをするしかない人生に追い込まれた、ねずみちゃんのかわいそうさ。その愛。毎回刹那で切り取ったこの世界の美しさと残酷さをまざまざと見せられて、ゾッとしながら圧倒されています。あっぱれ。全く好きではない世界観だけど、評価します。見せてくださってありがとう。
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ねずみの初恋