2.0
明神が好きになれるかどうか
脱獄後、連れ戻されるあたりで読むのを止めました。
理由としては、まず恋愛物のヒーローとして明神を好きになれなかった。
明神の出自的に恋愛要素は少ないのだが、それでも懲罰房に入れる際にあたかも他の囚人に犯されることを望むかのような台詞はとても受け入れられない。明神が嫉妬してるかのような描写があってもここでの行動を思いだすと違和感かある。
また、ヒロインに何かと言い掛かりをつけては罰と称して好き放題する描写は陰湿ないじめの現場、または権力を盾に好き放題する悪役を見てるようで楽しいとは思えなかった。
次に脱獄前後での比嘉の扱い。
脱獄前の比嘉との性描写を見る限り、ヒロインは比嘉との行為はそこまで悪く思ってないようであったのに、脱獄後から露骨に拒否しはじめたのはかなり違和感があった。
また性描写以外でも、脱獄後のヒロインは明神を逃がそうとする、比嘉の忠告を無視して八雲を探しに行き、結果捕まるなど比嘉とその仲間の迷惑を考えないような行動ばかりであったが、明神を逃したら警察に比嘉達の場所も割れてしまうということは考えなかったのだろうか?脱獄前は比嘉のことを何かと気に掛けていただけにこの変貌っぷりにはついていけなかった。
そして、ヒロインを庇って負傷する場面があるのだが、意識の無い比嘉の真上で行為に及んだシーンに関しては、悪意しか感じられない。
今までも比嘉が酷い目にあうことは多々あったが、彼の物語上の立ち位置を考えると仕方がないかもしれないと思えたが、このシーンに関しては必要性も無くどれだけ彼の行動や気持ちを愚弄すれば気が済むんだろうと憤りすら感じた。
作者は比嘉のことが嫌い、または不憫な目にあうのは楽しいと考えているのではと疑いたくなるくらいだ。
全体的に、何度も助けてもらって、自分を顧みずに尽くしてくれた人を蔑ろにして、逆に虐げるだけの人に惹かれる展開にはついていけない。
DV男から離れられない女性に近い印象を受ける。
明神のことが好きになれるなら読めるのかもしれない。
けれど少なくとも比嘉が好き、かっこいいと思ってるなら読み続けることはあまりおすすめできない作品であると感じた。
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