4.0
一気読みしたくなる面白さ
才能ある原石が磨かれ抜いて光っていくサクセスストーリー。好みです。
主人公真琴の性格も嫌味じゃなく好きだし、ライバル茜子も好感が持てる。夫と別れるまでは、真琴の、言いたいことが言えない場面に共に唇を噛む思いだった。だからこそ吹っ切れてからのカタルシスはすごかったし、旦那も旦那で、あのままの性格では終わらなかったのも良かった。
ライバルとは別の、物語中随一のヒール役紗良との闘争も読みどころ。本当に最低のゲスっぷりを披露してくれる。それでも物語が暗くならないのは紗良自身に実力があって輝いているところ、主人公の、悩みながらもまっすぐ光に向かっていけるところ、決して厳しいだけじゃない周囲の環境を明るく描いてくれているからだと思う。最後の展開が紗良には少しぬるすぎないかとも感じたが、人生のすべてを捧げてきたものに裏切られるのはよほどつらいだろうし、それらとちゃんと訣別したので、彼女もこれからは自分の人生を持ったひとりの女性としてこれまで以上に輝くことだろう。
また、モデルの世界の事情がちゃんと描いてあったのでよくわかったし、それだけではなくひとりひとりの内面や人生を描いてくれる丁寧さや先の気になる展開に一気読みしてしまいました。おもしろかったです。
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バラ色の聖戦