5.0
触れたとき、すべてがはじまる
幼子が手をつなぐのと、恋人同士が手をつなぐのでは同じ行動でも意味合いや、受け止めるものが違ってしまう。例え2人の間の同じ行為でもだ。
結花は小学部から女子校だったせいか異性とのコミュニケーションに違和感を感じてしまう。結花が大学生の時に知り合った高校生の槇本少年は、少女のように愛くるしく会話も弾み、弟や女友達のように心親しく感じる関係だった。その槇本に腕を引かれ力強い両腕に受け止められた時は、さりげなく離れようとしている。同性の友人や家族にアクシデントで、もたれかかってしまい申し訳なさや、気恥ずかしさで素早く何事もなかったように離れるような感覚と配慮だろう。
4年後に再会した槇本は、あどけない少年から逞しく美しい青年になっていた。その青年に再会の喜びの抱擁をされると、表にださないよう努力はしているが結花の心は荒れ狂うように激しく動揺している。槇本を外見から大人の男性だと認識しているのだ。例え美しい外見でも、知り合いだとしても、異性に対して身をすくむほどの本能的な怯えや、認識で違和感がある。
そのように恐れていた事柄も、相手を知り、歩み寄ることで感情も変化する。結局、怯えや、違和感は知らないことからくる固定概念だったのだ。実際目の前の槇本が後悔で震える姿に、きつく胸が締め付けられ自分から槇本を抱き締める。愛情や庇護欲からだ。充足感も感じただろう。指1本触れただけのことでも、誰と触れるかでドラマにもなるし、通りすがりの記憶にも残らない事柄にもなる。その感情が人間たる所以だろう。
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秘密の傷痕をつけた年下のカレに今度こそ奪われました