5.0
嗜み+スポ根+青春
もともと古典は好きで、百人一首も中学生の時に覚えました。
が、競技かるたはただ百人一首をしているだけだと思っていたので、こんなに体育会系の熱い闘いが繰り広げられていたとは知りませんでした。
競技かるたについては他の方がコメントされていると思いますので、マンガ好き目線でレビューします。
まず、とにかく作品として、とても丁寧に作り込まれています。
人物はもちろん、背景、動き、細部にまでこだわって描かれていると感じます。
メインメンバー以外の扱いが雑な作者さんもいますが、この「ちはやふる」は全てのキャラの生い立ちや性格、家族構成までしっかりと設定がありそうに感じます。
最初は敵キャラに感じたはずのキャラが、しばらくするとどういう背景でそうなのか、が明かされて身近に感じたり、いつの間にか好きなキャラになります。人に歴史あり、とでもいいましょうか。
相手校の顧問の先生までがかなり掘り下げられてくるので、とにかく登場人物全てが魅力的です。
時々、自分が所属するならどの高校かな?と考えて、富士崎面白そう、北央は怖いから無いな、などなど、対戦相手の学校も好きな自分に気づきます。
キャラ設定、舞台設定、ストーリー展開と文句なしですが、個人的には作者さんの抜群のネーミングセンスが眩しい限りです。
メガネくん、くらいならまぁありがちですが、まつげくん、ヒョロくん、肉まんくん、机くん、エロムに至ってはいかにも高校生な発想で一人で大笑いしました。
ところどころに大江さん親子が散りばめる日本文化のうんちくも素晴らしく、色々勉強になります。
中学生以来、ン十年ぶりに百人一首がやりたくなり、早速買ってしまいました。
このマンガは、ストーリーが甘すぎないので男性でも楽しめると思います。巷では大人気で、ここ数年、「ちはやふる」の影響て小中学生のかるた人口が増えているとか。
映画化も納得の作品です。
読んで損なし。
ただ一点、この作品はコミックで読むべきと痛感しています。ダイナミックなコマ割りや対戦の迫力などが、電子コミックではどうしても満喫できません。
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ちはやふる