5.0
素晴らしい作品でした!
長すぎないけど濃密なSF作品が読みたいな~と思っていたところに見つけました。
表紙の絵がとても美しくて好みだったので読み始めましたが、スリリングで面白くてページを捲る手が止まりませんでした!
主人公が記憶喪失のシーンからスタートしますが、研究所からの逃避行の中で明かされていくストーリーの核心が本当に面白かったです。
9話最後のページからは、ガイコツゾンビとの戦いや腕がもげたり臓器が出たりするシーンなどがあるので、R11指定くらいかなぁと思いました。
進撃の巨人やシドニアの騎士が好きな人は楽しめると思います!
短編ではありますが、科学の発展の功罪や、人体実験における生命倫理、自分の命をどう使うかということも含めての人の命の尊厳、研究所で人体実験が行われるようになるファシズムの過程、人種差別、反核運動など、濃厚なテーマが随所にちりばめられていて、とても読み応えがありました。
ぜひ紙の書籍でも手元に置きたいです!
新しい作品なのか、作中の番外編に2018年公開の「シェイプ・オブ・ウォーター」が出てきました。
テーマに関して共通したところがあり、作者さんからのオマージュかなと感じました。
私も大好きな映画なので、この作品が好きな方にはオススメです。
ラストは……
手放しのハッピーエンド……という訳ではありませんが、個人的には素晴らしい終わり方で、これもハッピーエンドのひとつの形だと感じました。
主人公カイや汽水さん、深見さんの生い立ちや、メーアのその後、アルビノになった子についての続編が読めたら嬉しいです!
余談ですが、アニメ化するなら、ぜひ深見さんはCV.櫻井孝宏さんで!と(笑)
ドンピシャで好みのキャラでした!
短いページの中に、テンポよく、しかし緻密にストーリーが編まれており、私の中では弐瓶勉先生や星野之宣先生、萩尾望都先生と同じくらい響いた作品でした!
思わず初めてレビュー書いたくらいです!
このコメントが作者さんと編集者さん、次の読者さんに届きますように!!!
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ブルーフォビア