5.0
ヒーロー志望
小さい頃から
かっちゃんがデクをいじめる理由。
きっとデクが無個性だからとかじゃない。
かっちゃんは個性を見せつけて
泣かせてやろうとか
能力のある自分のほうが
上なんだって思い知らせてやろうとか
そういう子供じみた気持ちの裏に
デクの中にあるヒーローらしさを
認めたくなかったんだと思う。
かっちゃんが
ピンチに出くわした時に
デクは助けようとした。
その時、
子供なら誰でも憧れてしまう
カッコいいヒーロー像に
一瞬デクが重なったのかも知れない。
デクの自分に向けられた優しさが
その愚かなまでの優しさが
自分よりカッコよく
見えてしまったのかも知れない。
なんて、
デクをいじめるかっちゃんを
正当化するような理由を造ってしまった。
でも、爆発の個性を持って生まれた
その心の中の火薬に
デクが火を付けてしまったんだろうか
って考えた時に、
急にかっちゃんが少し弱く見えて
応援したくなってしまった。
同時に、
デクがヒーローの本質という個性を持って
生まれた子に見えてくるんだ。
“君はヒーローになれる”
オールマイトにそんな言葉を贈られる
ずっと前から
きっとデクの心は
常にヒーローだった。
そして、
憧れのナンバーワンヒーローに
デクが叶えたかった
夢そのものを自分の体に受け継ぐ。
ここからデクが
ものすごい速度で成長していく過程。
それをページの中に見るごとに
この世界が好きになる。
まるで本物のヒーローが
育っていっているようで
頑張るデクが好きになる。
マンガという
手に納まるサイズの傑作に
感動することができました。
作者さん自身
本当にヒーローを生み出す能力を
秘めているのでは…なんて、
私の頭に変な発想をチラつかせた
そんな作品です。笑
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僕のヒーローアカデミア