5.0
元ネタはオスマン帝国史?
51話まで読んだ感想。全体に、後継者争いに巻き込まれた兄弟の兄弟愛について描かれています。冒頭のアーダルテとアードルテは双子。シャオとダオは兄弟。月光王と弟は元々19人いる異母兄弟のうちの2人。それぞれの兄弟は、陰と陽、光と影のように対照して描かれています。兄弟殺しは、オスマン帝国の史実で行われていた慣習であり、当時の法律でも正当化されています。残酷なようですが、男性の皇族が存命だと権力争いで国が不安定化するのは世の常です。オスマン帝国最盛期のメフメト3世のときに19人の兄弟殺しが行われており、月光王の兄弟の数と似ています。また、ロシアや東欧から連れ去られた方々を妃とすることが多いという点も類似しています。
(ニワカの感想ですので間違ってたらごめんなさい)
史実ではメフメト3世の19人兄弟殺しが慣習とはいえ当時としてもあまりに酷く、また次代の皇帝の兄弟が精神疾患持ちであまり有力な敵対候補にもならなかった、また皇族メンバーがあまりにも減りすぎるなどの理由から、19人殺しの次代から兄弟殺しはさず、幽閉するのみとなったようです。
しかし、いつの時代も王の男兄弟が存命であることは争いの火種になりうることです。私が読み進めた時点では月光王は弟を生かしていますが、今作でそのあたり(体制の安定のために兄弟殺しを維持するのか?別の解決策を見出すのか?月光王が死ぬことは確定のようですが、黙って受け入れるのか?)をこれからどう描写していくのか楽しみです。
兄弟殺しの慣習に問題があるのは現代人の感覚でいえば当たり前ですが、そのような苛烈な制度のない現在においても、王位を継承できなかったプリンスが鬱屈とした人生を送りうることは、近年のイギリス王室のスキャンダルを見れば明らかでもあります。
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王国物語