3.0
途中まではそこそこだが
無料配信中の2話分までは目一杯伏線を張っている為、そこそこ惹きつけられるのだが、肝心の3話目ラストがあっさりし過ぎてカタルシスがない。起承転結の転が無く、起承結だけでヤマ無くスーッと終わってしまった感じ。
例えば3話中頃まで5才位?だった翼がラスト付近で中学生となり母親をバットで殴るのだが、
母親をバットを振り回して追いかけるなどの途中描写が省略され、すでに追いかけ回された後の青い顔の母親のシーンからいきなり始まるので唐突感がある。
また翼の母親を殴る理由や翼の成長過程の描写がセリフのみで簡単に済まされ、
具体的に思い悩んでいるシーンなどの描写が無く翼の心理が掴みにくい。
淡々と話が進み、そして終わった。
正直、無料配信中の2話だけ読んで3話は購入せず想像で補うのが一番楽しめるのではないか。
しかし良い所もあると思う。
主人公は利己的で依存心強くてどうしようもない女性だが、父親や息子に対する愛情が全く無い訳ではないと思われる。
夫に対しては微妙かな・・・(でも再婚はしてないね、彼女。面倒なだけか)。
所々彼らに対する依存だけでは無い愛情をごく微かだが話の中に感じさせない事も無いし、
彼女は本当に食事含めて育ちが悪くてああなってしまった、育ちがまともなら多分、と思わせる部分は悪くないと思う。
可愛い子供と綺麗な一軒家で家庭を作りたいというのは、母親が居らずまともな養育もされなかった彼女の「良い家庭」に対する憧れの表れだろうから。
しかし家庭の形にこだわり過ぎて中身をどうするべきか、その事に関する知識がなかった。彼女が自力でそれを理解するの難しいだろうし、結局最後まで理解出来なかった。
その象徴が食事で、そこの辺は通しで納得できる様に描かれていたと思う。
彼女は欲しいもの(憧れの家庭=食事に対する正しい認識)を頑張っても自力で手に入れられる人じゃなかった。と考えると切なくもある。
とにかく感情を煽る様な作風では無く淡々と話が進むので、レビューでも書かないと何も考えずに本当にただ読み飛ばして終わったと思う。
正に電車通勤用の作品なんだろうけど、まあ暇つぶしにはなりました。
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添加物まみれの母性