5.0
裏切り。
「ソウルリング」を読んだあと、同じくらい涙を搾り取ってくる作品をずっと探してた。
「一年一万円」を読み始めたとき、心のまわりに羽みたいに軽くて、ほとんど気づかない細いリボンがそっと巻きつき始めた気がしたんだ。章が進むごとに、そのリボンが一周、また一周と増えていく。でもまだ締めつけはしない。ただ、そこに“ある”だけ。
五話あたりで「これは最後に絶対きつく締まって、めちゃくちゃ痛くなるやつだな」って思った。
――騙された。
いや、正確には自分で自分を騙してた。
痛いどころじゃなかった。
……呆然とした。
あれはリボンなんかじゃなかった。鎖だった。
冷たくて、鋭くて、欠けた刃みたいな部分がむき出しの鎖。
心はただ縛られて締めつけられたんじゃない。容赦なく食い込まれていた。
どうしてあんな鎖に、もっと早く気づかなかったんだろう。
私は、こういう作品のために生きてる。
こういう芸術のために、生きてる。
作者に伝えたい。
あなたの作品を、私は一生忘れない。
そして人生の中で、こんな奇跡みたいな物語に、できるだけ多く出会えますようにと心から願ってる。
最後の数話を読むときは、
Hiroyuki Sawano feat. Benjamin Anderson「I Want To Know」をぜひ聴いてほしい。
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寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。