2.0
絵がとってもきれいです
絵は本当に上手だと思います。きれいな女性を描くのがすごく上手。でも読み進めていくうちに、何がしたいのか何を言いたいのか物語の主軸がつかめず、フラフラしていて、恋にドキドキする人たちに共感もできないし、何より主人公の綾乃が中身のないつかみどころのない性格で、学校の教師であるのに不倫をし、保守的な日本ではまだまだ受け入れてもらえないであろう同性愛の教師であり、そういうところにいくらでも物語があるはずなのに、そういうものは一切素通り、責任感があるような風貌と性格と職を持っているのに、相当なことをしでかし続けています。話を広げ過ぎて手に負えなくならないようにするためとはいえ、小さすぎる世界で不倫や人間関係が完結されており、おまえら全員何やってんだよっていう突っ込みをされる前に作者は物語の中で登場人物たちに自己反省させるという、肩透かしも満載。スルリスルリとすました顔で大事をやりのけていく綾乃が一番奇妙な存在だと思い始めてしまいました。全く情熱もなしに、なんとなく好き、という小学生の恋のような動機で女性と暮らし始め、どうやら体の関係もほとんど無いようです。いきなり教え子たちのどうでもいい人間関係の話を広げ始め、ずうっと肩透かしを食らったまま最終話を向かえる、そんな話でした。
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おとなになっても