最初は度胸満点のお姫様による胸のすくような世直し道中として始まりますが、回を追うごとに話の幅と深みが増していって引き込まれていきます。男の主人公による異世界ものだと陥りがちなハーレム系の要素も、主人公の性別と身分によって巧妙に排除されていますし、前世が筋金入りのヤクザであったことから、男女の色恋から人生の機微に至るまで酸いも甘いも知り尽くしていることがうかがわれ、世間知らずの深層の令嬢のもつある種の鈍感さからも無縁となっているという、絶妙の設定が施されています。このことによって、老練な知と命知らずの度胸を兼ね備えた純潔な少女という類まれな主人公のキャラクター設定が可能となっていると思われます。
作品レビューの要素が全くない、意味不明な自分語りのような無責任な投稿が相次いでいる不運さがとても気の毒に感じます。
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任侠転生-異世界のヤクザ姫-
094話
第29話 石ころの金貨(3)