親のテリトリーを脱出する勇気がない、その意思もない。批判しつつ唯々諾々と従って、ついには、望まぬ妊娠までしてしまう。話の中に父の象徴的な言葉があった。世に批判される業界で恩恵を受け、親離れする努力をしない主人公が好きになれない。
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40706位 ?
親のテリトリーを脱出する勇気がない、その意思もない。批判しつつ唯々諾々と従って、ついには、望まぬ妊娠までしてしまう。話の中に父の象徴的な言葉があった。世に批判される業界で恩恵を受け、親離れする努力をしない主人公が好きになれない。
「信じていいか」狼旦那が心を開き、主人公がそれに答えて自分のツライ、きっと知られたくない過去を打ち明ける。話のペースが早くも遅くもなく丁寧に登場人物の心情を描いている。「怖くはないか」「怖くありません」でも、絵を見て、わたしなら怖いぞと思った。あの絵を見たらだいたいそう思うだろう。だからこそ「怖くありません」とはっきり言う主人公の心の美しさが光る。思い出したくない、消し去りたい過去があっても勇気をもって打ち明ける。きれいごとに終わらせない。そんな話がいいな。
そうか。主は薬剤師。家は薬師問屋なのか。能力は見かけではないのだ。ここまで読んでの感想は、多分、コミック全体で、主人公が不遇で、親戚にいじめられて、仕方なく身代わりに嫁ぐ、しかし、嫁いでみると旦那がかっこよかったという筋書きは掃いて捨てるほどあるに違いない。(失礼な言い方だが)。でも、この話はいい。主人公の境遇に負けない強い心に共感できる。狼や獣人一族の人々が人間に差別されてきた苦しみ。狼旦那の揺れ動く心。恵まれた王子様やわけのわからないビジネスマンなどの設定よりとても共感できる。話の質がとても良いと思う。楽しみにしている。作者よ。頑張ってほしい。私は期待しているぞ。
読むごとに色々分かってくる。なくて良い話がひとつもない。見事だ。前の話で「どうして?」と思ったことが「こうなのさ」と簡略に説明してくれて、なお、謎が残り、「詳しく教えてよ」という気持ちになる。それにしても、あの妹。どうしたらあんなに醜くなれるのか。幸せではないだろう。あの意地悪おばさんも不幸の塊のように見える。
面白くなりそう。そうか。獣人か。現在、人間の間でも人種差別はまだまだ世界中にある。獣と人の両方の血を持つ新たな人種が登場すれば、差別の対象になるに違いない。そのなかで主人公がどのように生きていくのだろう。主人公は結婚経験がある。どのようなツライ体験をしたのだろう。それでも勇気がある、苦難にめげない女性なのだ。
幼い頃、テレビで視聴した手塚治虫の「バンパイア」を思い出した。(主人公は水谷豊)本当に嫁ぐ相手が狼だとは意表をつかれたゾ!きっと、昔、伝説とか狼に育てられたとか、そんな話かと思っていた。漫画は色々な発想ができて面白い。身の毛もよだつ狼に屈せず、生きる道を切り開こうとする主人公に憧れる。応援したい。
酷い。主人公がかわいそうだ。恵まれた環境にある親戚たちは罪のない女性にどうしたらあのような仕打ちができるのか。どのような言い訳もできない鬼のような所業。人が鬼になるとき、恵まれた環境の故か。それとも生来の心の醜さか。狼のもとに嫁ぐ主人公。しかし、本当のけだものは人の顔をかぶって、紳士然、貴婦人然としている人々の心の中にいるのだ。主人公よ。負けるな。
主人公のおかれた環境や苦労を垣間見る17話だった。セリフの一つ一つ主人公のジレンマを感じる。
「父のおかげで恵まれた生活ができたのは事実」「父のテリトリーから出て自分で人生を切り開く勇気が私にはない」
ヤクザの父のもと、母娘して贅沢な生活をさせてもらい、母も娘も父の稼業を(おそらく)軽蔑しているのだろう。
美緒さんが命のようなものと大切にしている仕事(カフェ)も父が「望み通り店まで出してやった」もの。
美緒さんが勇気を出して、親離れしなければ、父を軽蔑する資格はなく、話に魅力が生まれない。
何もかも兼ね備えた主人公だが、だれもが普通にしている努力をしない。誰も共感しないだろう。
父親と母親の子に対する将来の期待のありかたが異なる。上品な母親がヤクザと結婚したことが不思議だ。主人公が父親の稼業を乗り越え、幸せになる姿がみたい。
融点~とけあい~
018話
融点~とけあい~(18)