4.0
良いところも悪いところも
良い点としては、序盤の高校生がバタバタ死んでいくところがいいと思いました。歴史の教科書を見ていると、人間が何百と死んだ出来事が大雑把に書かれているところがありますが、現代では人が何十と死ぬと大騒ぎなところが、戦国時代と現代の価値観の違いが描かれていて良かったと思います。また、臆病だった主人公や他の登場人物達が同級生の死を通じて成長していく過程が評価できると思います。後は歴史の出来事に沿って物語が進むのですが、あまり知られていない人物や出来事が知れたり、好きな武将が登場した時は、歴史が好きな身としてはとても楽しめました。一番は部活ごとに戦い方が違うので、この部活だったらどう戦ってたんだろう?とか妄想ができたところです。
悪い点としては、まず登場人物たちの過去の掘り下げが上手く描かれている人物もいれば、たまに雑だったり、人物によっては活躍したのに全く描かれてなかったり、読んでいてあ、このキャラ作者のお気に入りなんだな。って思いました。また、歴史を改変できるのかできないのかよくわかりませんでした。劇中で、福島正則の腕を切断した際に、歴史を変えれるとか言ってたのに、豊臣秀吉は後の戦でも活躍してるから死なない事が保証されてる、とか。読んでて、は?って思いました。後は、現代での史実と乖離があった事です。豊臣秀吉の外見は仕方ないとして、信貴山城の放火の犯人が違ったり、明智光秀の顔の火傷など、でもそこを活かして現代で闇に包まれている平蜘蛛の行方や、本能寺の変の首謀者を書ききった点はいいと思いましたが。
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群青戦記 グンジョーセンキ