5.0
危機的状況で出て来る人の内なる醜さ
広告に出ていたのが気になって、読んでみたら凄くおもしろくて1章をあっという間に読みきってしまいました!
常に緊迫感があり、次の展開が気になるストーリー。危機的な状況に置かれて出て来る人の内なる醜さ。
頼りになるけどどこか得体の知れない感じがある八木さん、めちゃくちゃ強いし冷淡だけど過去のトラウマを引きずっている安斎など、主人公以外の登場人物も個性がありおもしろい。
平気で嘘をつく人もいれば信念を曲げない人もいて、心理描写が良いなと感じました。
ずっとおもしろくて一気に読んだのですが大満足でした!
ただ、ちょっと不満があるとすれば、関係ない一般人を殺害しすぎです。
社員40人中37人が死亡し、それ以外に一般の登山者や救助隊、山岳警備隊など10~20人は殺されています。
これではもう「薬害被害者の会という名のテロ組織」ですよ。
1章最終話で薬害被害者の会が作ったホームページに寄付が集まったとか、これで薬害にあった人も楽になるとか言ってますが、無関係の人殺しまくっておいて同情する人とかいるのか?と思ってしまいました。
正確には一般人に手を出したのはトオルで、本来意図してなかった事のようですが、端から見れば「テロ組織と手を組んでいたメンバーが無関係の人を大量に殺害した」という事に変わりありません。
せめてトオルと本物のサル、被害者の会のメンバーは関わりが無いくらいに明確に分けておくとかして欲しかったですかね。
薬害で亡くなった人より多くの無関係な人を殺害して、新たな恨みや憎しみを自分たちで産み出してどうすんの?って。
そこだけがどうにも引っかかってしまって残念でしたね…
でも、本当に一気に読むくらいには物語がおもしろくて引き込まれた作品でした。
まだ1章しか読んでいないので、財布と相談しながら続きを読みたいと思います!
-
4
モンキーピーク